初ブルネットとのあれこれ 第3話

(※いろいろバタバタしており更新頻度が悪くて申し訳ございません。)

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初デートとまでは言えないかもしれない程度の嬉しい時間を過ごした翌日。仕事中もAのことで頭がいっぱい。我慢できずメールで気持ちを伝えました。好きになってしまったこと。恋人になって欲しいこと。ローマ字の日本語でのメールでどれだけ伝わるか不安なまま。彼女からの返信は「Arigato. Demo mada anata no koto amari siranai.」。ごもっともです。Aもロシアンパブで働いていれば僕同様のアプローチは数多く受けてきたでしょうし、それは定型文のような返事の1つにしか過ぎなかったでしょう。何故だろう…焦っても良いことなんて無いのはわかっていたのに抑えきれなかった。初めて好きになった外国人美女は僕の心と頭を本当に中学生へと戻してしまったのでしょうか。

続けてメールが届きます。「Konsyu omise koremasuka ?」この時少し冷静になることができました。「あぁやっぱり営業メールだよね。お店でお金使わないオレに意味無いよね…。」ガッカリした僕は「Sigoto isogashi」のような返信を最後に連絡しませんでした。

向こうから連絡が来たのは1週間程後。「Nande renraku sinai ?」など絵文字無しの怒った文面だったことははっきり覚えています。それに対して自分も少しカチンと来て「Anata mo ne」と。当時の僕の性格からしてイヤミったらしくからかうような絵文字を添えたはず。そこからケンカになって…。

更に1週間が経過した頃でしょうか。やはりいつも頭の中に彼女はいて、このままバイバイは嫌だなと。ただ謝るってのも何となく癪に触るというか。そこでお店に彼女宛ての花を贈ってリアクションを見てみようと。まさかこんな形で早くも2回目のお花をプレゼントするとは思っていなかったのですが…。33本だったかな。真っ赤な薔薇の花束。送付先をお店にしたのは良い判断だったと思います。彼女宅へ送っても不在か受取拒否の可能性もあったわけですから。開店時間に合わせて届けてもらうようにしました。

数日後Aから電話が来ます。何やらハイテンションです。そして電話の向こうはお店の中ではなく外の様子。彼女の働くインターナショナルクラブの最寄駅まで今すぐ来てくれということでした。駅へ車で乗りつけると花束を抱えたAの姿。外国人女性と薔薇の花束が夜の街に映えていました。車を降りて彼女に声をかけるとそのまま飛び付かれました。ケンカしていたことが嘘だったかのように。

時刻は9時を過ぎたころ。話を聞くとその日は彼女はお休みで、お店のスタッフから花束が届いた連絡を受けてわざわざ取りに行ってくれたんだそうです。なんだか申し訳ない気持ちになりましたが彼女は花束に鼻を寄せ喜んでくれています。そしてAからご飯に行きましょうの一声。正直夕飯を済ませた後だったのですがAと一緒に居られるならと思い承諾。別の駅にあるA行きつけだというタイレストランへとクルマを走らせました。車中でどんな会話をしたかあまり思い出せません。覚えているのは初めて外国人女性を隣に乗せたがゆえ緊張していたことと、これは自分のクルマでは無くディーラーから借りているクルマだという説明をした位ですかね。これがAとの初ドライブにもなったわけです。

Aの案内でタイレストランに到着。タイ人経営の本格的なお店。僕はその時が初めてのタイレストランでしたので料理は彼女におまかせしました。本場のタイ料理がテーブルに並びます。僕は辛い物に強いのですが、辛い物を好んで食べるロシア人女性やウクライナ人女性は思い返してみるとAだけでした。先日のファミレスでのコーヒーだけとは違いきちんとした食事。香辛料の香りと運転したせいか、いっぱいだったお腹でも結構食べる事ができました。

ここでAは鶏肉以外のお肉を口にしないことを知りました。はじめ宗教上いけないのかと思いましたが、牛や豚がかわいそうなんだとか。「鳥や魚介類はかわいそうじゃないんかい!」と総ツッコミされてしまいそうですが…。Aはロシアンパブ の他にモデルとしても活動してるとのこと。まぁ納得です。雑誌やカタログ?のようなものに掲載されているAの写真をケータイで見せてもらいました。

終始ゴキゲンのAにタイミングを計って思いきってきいてみました。「オレはやっぱりただのお客さんなんだよね?」と。彼女は真面目な顔で答えました。「お客さんとしか思っていなかったらお金にならないのに2人で会いません。」「お店に来れないかきいたのはなかなか会える時間が少ないから。」と。僕はそれすらも営業トークなのでは?と疑いましたが、攻めて攻めて攻めまくることを決意。翌週納車になるので、助手席に最初に乗って欲しいことを伝えAの休日を1日僕にくれとお願いしました。すると翌週の日曜日を1日空けてくれることになったのです。お台場へ行く約束をしレストランを後にしました。

彼女をアパートまで送ると部屋の前まで送ってくれということなので一緒に階段を上がります。Aが部屋の鍵をあけると中にチラッとネコの姿が…。(うわぁ…。可愛いけどオレ猫アレルギーなんだよな…。)と思っていると、ハグをされ改めてお花のお礼を言われました。そして「お台場楽しみにしてるね。パカ!」と…。僕は「なんでバカ?」と聞き返すと、「BakaじゃなくてPakaだよ。」と笑われました。ロシア語で「пака」というのは「じゃあね」とか「またね」に近いニュアンスの言葉だったのです。

夜遅い時間にアパートの廊下に長居するとご近所さんに迷惑をかけると思い、名残惜しかったのですが彼女から離れ階段を下っていきました。僕は手を振って見送ってくれる彼女を背にしてアクセルペダルをゆっくり踏み込みました。

 

続く…

 

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